プロバンス記 その16~キュキュロン~

ガソリンを満タンにしてお腹いっぱいになったシトロエンをのんびり走らせてキュキュロン(Cucuron)という村を目指します。
素晴らしい晴天に恵まれた小一時間は車窓に初夏の花々と遠景のリュベロンの山並みを見ながらの快適なドライブになりました。
道中があまりにのどかで美しいので何回か路肩に車を止めて道端でゆっくりと深呼吸をしました。
自分の車のエンジンを切ると、他にはほとんど車も走っていない田舎道で聞こえるのは風にそよぐ木の葉の音と鳥のさえずりだけになります。
太陽は穏やかに地表を照らし、木々と葉が作る陰影を美しく引き立てます。
バイロンでなくても詩の一編でも書けそうな、かつて印象派の画家たちが描いたプロバンスの風景が眼前に広がります。
天を仰いでゆっくりと目を閉じて、空気と大地の温かみを感じながら深く深く息を吸って吐く。

ゆっくりと。

「何も無い」のではなく「全てがある」満たされた時間です。

cucuron

キュキュロン(Cucuron)はそんな村でした。
村の中心に大きなプラタナスに囲まれた池とその周囲のいくつかのカフェとレストラン。
観光資源といえばこれだけです。
池は時々は映画の撮影で使われるそうですが他に見るものもないので観光客もその辺りにしかいません。
1本通りを入ると普通の人々が住む静かな村の日常を見ることができます。
だからこの村ではカメラは置いてゆっくりと散歩することをおすすめします。
きっと満たされた時間を過ごすことができると思いますよ。

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