プロバンス記 その17 ~ルールマラン~

キュキュロンを後にして今日の目的地であるルールマラン(Lourmarin)という村まで車を走らせます。
ルールマランは、かのアルベール・カミュが晩年を過ごし今も村はずれの墓地に眠ることでも有名なのだそうです。

アルベール・カミュ !

なんと懐かしい響きでしょう。
『異邦人』や『ペスト』を初めて読んだのは二十歳のころだったでしょうか。
当時は、たいして意味もわからないのに「不条理」や「反抗」というコトバを使うことでなんだか人と違う自分になれたような気がして、、

あの頃のアホな私の頭の中では、
アルベール・カミュの “一切の超越者を退けて生きる” という態度と
ちばてつやの「明日のジョー 2」と
金子正次が脚本、主演した映画「竜二」と
柳ジョージの「コインランドリーブルース」
は、同じ地平で輝いておりました。

まあ、青臭くも楽しい頃でありましたな(笑)。

おっと、プロバンスの瀟洒な村をご紹介しようとしていたのに。。。 失礼致しました。

Lourmarin_1

ルールマランは、ルールマラン城とその脇にある小さな村からなる観光地です。
城は小ぶりで復元状態もよく、これから本格的になる夏のバカンスシーズンにはコンサートをはじめいろいろなイベントが開かれるそうです。
村にある様々な店はどれも洗練されていてお洒落!
レストランとカフェはもちろん、可愛い雑貨屋さん、プロバンス特有の白い綿生地の服やパナマ帽の店に混じっていくつもの画廊がありました。
画廊のいくつかに入ってみましたら、ゴッホやセザンヌ、マチスやゴーガンの筆を真似た風景画を多く扱っている店もあればコンセプチュアル風を中心にした店、古代ローマのフレスコ画風からアジア、アフリカのプリミティヴな雰囲気のものまでいろいろな「~な感じ」の絵画やインスタレーションが売られていました。
この辺りに点在する多くの別荘のリビングや寝室の壁を飾るためでしょうね。
Lourmarin_3
私は翌日の朝早くにランニングしたのですが、周囲にはため息をつくほどの美しいヴィラがいくつもありました。

そして、アルベール・カミュの時代が過去のものになったことを感じながら、
アートや文学がかの時代に確かに持っていた戦闘性を急速に失いつつある現代を、
彼は墓の中でどのように見ているのだろうかとふと思いました。
Lourmarin_2

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