プロバンス記 その28 モンペリエ

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さてさて。
古代ローマの美しい遺跡が立ち並ぶニームを後にした私は次なる目的地モンペリエに到着しました。
中世からの大学街であるモンペリエは今でも国際色豊かな学生の街。
特にモンペリエ大学の医学部はパリ大学と並ぶエリート医師を輩出することで有名だとか。
ニームから南西に30kmくらい、地中海から内陸に10kmくらいに位置することから、ここはもはやプロバンスではありませんね。
それほど大きくない中程度の都市だと思いますが、プロバンスの小さな村々をほっつき歩いてきた私には久しぶりの大都会!
グーグルに言われるがままに交通量の多い道路をドギマギしながら車を運転し、何回か道を間違てやっとのことで予約した宿に辿り着きました。

今回の宿は中心街を少し外れたところにある瀟洒な住宅街にありました。
入り口の門のインターフォンで名前を告げると重たい鉄製のゲートがゆっくりと開きます。
駐車場に車を停めて建物のエントランスまでスーツケースを引いて100mほど歩きました。
手入れの行き届いた中庭は背の高いプラタナスの木々からの木漏れ日が心地よく、小鳥のさえずりも聞こえてきて、「今回の宿もいい感じだなあ~」なんて自分の選択眼に満足していたのですが、、、

エントランスを入るとそこはどうやらダイニングになっているようで大学生くらいの若者が3~4人で食事をしていました。
他に人影が見当たらないので私は彼らに聞いてみました。
「フロントはどこか知ってる?」
「え?」という表情で彼らは互いに顔を見合わせました。
「ここはB&Bじゃないのかな?」
「そう。B&Bだよ。」
よく見るとエプロンをした人や作業着っぽい人もいるのでどうやら彼らはB&Bのスタッフのようです。
大学生のアルバイトかなと思いながら、
「なんだよかった。私は予約したタチゾノだけど。。。」
「えっ?!」
彼らは再び驚いた表情で互いに顔を見合わせて、それから訝しげに私に視線を戻します。
「あれ?予約したはずなんだけどなあ・・・」と私。

彼らは再び互いに見合って、そして、、

 

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爆笑し始めました。

やられました!
どうやら完全にからかわれていたようです。
「悪ぃ、悪ぃ、、でも面白かっただろ?」みたいなことを言いながら私の肩をバンバン叩いてきます。

いやいや。。。
まったく。。。

東洋人は若く見えるから分からないかも入れないけれど、たぶん私はあなた達の倍以上生きてるんですがね。。
それとも彼らの悪ふざけは相手の年齢を問わないのかな?

それでも通された2階の部屋はベッドも窓も大きくて天井も高く広さも十分。
掃除もきちんと行き届いていて文句なしの完璧ないい部屋でした。
だから、ま、許してやろう。
なんてね。

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