プロバンス記 その29 もっとも幸運だった最悪の日 ①

 

mon3今回は、私のプロバンスの旅の中でいちばんしんどくて思い出深いエピソードを書こうと思います。
なんと、本当に財布を失くしたのです!

モンペリエは以前にも訪れたことがある街でしたので1泊だけにしました。

翌朝、相変わらずおふざけモードの若者たちを相手に宿のチェックアウトを済ませた後、近くのガソリンスタンドで給油しました。

このときも給油のやり方が全然わからなくて近くの男性に声を掛けました。
どうやら奥の売店で給油したい量の支払いを済ませてからガソリンを入れるシステムのようで、男性は私を手招きして売店のレジまで連れて行くと英語を解さないレジの女性にフランス語で通訳してくれました。
おかげでスムーズにことは運び、お礼を言って車をスタートさせました。

目的地はカルカッソンヌ。
距離にして150kmほどで、この旅の中で1日で走る距離としては最長になります。
この頃になるとフランスの道路事情にもグーグルマップのナビにもすっかり慣れていた私はすぐに高速道路に入り、平均時速140kmほどで快調に車を走らせてあっという間にカルカッソンヌへ到着しました。
昼前には町の入り口の駐車場に車を入れて、取り敢えずランチでも食べに行こうと。

財布がないことに気付いたのはこのときです。
いつも街歩きで使うリュックの中にスマホと財布とパスポートがあるかを確認したときのことでした。
スマホもパスポートも、その他いろいろもありましたが財布だけがありません。
リュックの他のポケットや車の中のいろいろな収納スペースやシートの下やら確認しましたがどこにもありません。
最後には後部座席の後ろに入れてあったスーツケースを開けて中を確認しましたがもちろんありません。

落ち着いて整理してみましょう。

宿をチェックアウトするときに、私は確かに財布を持っていました(宿代を清算できたのですから!)。
だから部屋に置き忘れたということはありえません。
ガソリン代はクレジットカードで払いました。
でも、レジへはクレジットカードだけ持って行ったと記憶しています。
そのとき財布は・・・・?
支払いのレシートは車の中にありましたがクレジットカードはありません。。。
その後はいちどだけサービスエリアでトイレ休憩を取りましたが、文頭の写真のようにトイレとベンチがあるだけで売店などはないところだったので財布は出していません。

どうやらガソリンスタンドで失くしたと考えるのが妥当なのではないかという気がしてきました。
ガソリンの支払いを済ませてレシートを運転席のポケットにクシャっと置き、クレジットカードを戻した財布を車の屋根に置いて給油して、、、
給油を終えて給油キャップを締めると、財布のことをすっかり忘れてそのまま走り始めたような・・・

さてさて。
どうしましょうか。。。

財布を諦めてカルカッソンヌを観光するか、探しにモンペリエまで戻るか。。。

幸い、まだお昼前です。
モンペリエまで戻るとしても片道1時間半かからないくらいでしょう。
うまく見つかれば午後3時ごろには戻って来ることができそうです。
でも、もし私の推測どおりガソリンスタンドで財布を落としたとして、果たして出てくるでしょうか?
いやいや、そもそも財布を失くしたのがガソリンスタンドなのかも定かではありません。
その場合は宿まで戻ってみる必要がありそうですが、ガソリンスタンドから宿まではほんの数百メートルです。
考えているうちに財布を車の屋根に置いたのはスーツケースを車に積み込むときだったような・・・・

私はモンペリエへ戻ることを決断しました。

続きはまた次回に。

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